うつ病(鬱病)は精神的・身体的症状を伴うメンタルヘルス疾患で、誰もがかかりうる身近な病気です。早期発見・早期対応が大切であり、また、適切な治療を行うことで多くの方が寛解します。そのためには周囲の人々がその人の変化(サイン)に気づくことが重要な鍵といえます。

 

うつ病(鬱病)は、誰もがかかりうる身近なメンタルヘルス疾患

うつ病(鬱病)とは、日本では15人のうち1人が一度はかかる病気といわれている、とても身近なメンタルヘルス疾患です。平成20年には、患者数がはじめて100万人を超えました(厚生労働省、患者調査報告)。

うつ病(鬱病)の症状は、食欲がない、眠れない、気分が落ち込むなどの心理的症状だけでなく、肩がこる、背中が張る、下痢・便秘などの身体的症状として表れることもあります。

本人に自覚症状がある場合でも、「心配・迷惑をかけたくない」という思いから、ひとりで抱え込んでしまうケースも珍しくありません。したがって、職場や家族の方が「気づく」ことが大変重要な病気ともいえるでしょう。
うつ病(鬱病)の治療は、他のさまざまな病気と同様に、「早期発見」「早期対応」がとても大切です。

 

早期対応のために うつ病(鬱病)のさまざまなサイン

うつ病のサインはさまざまですが、ここでは職場の上司・同僚からみても分かりやすい変化を示します。これらのサインに気づくためには、日ごろから部下・同僚の様子を知っておくことが大切です。

項目のひとつひとつは、誰もが経験したことがあるものばかりです。しかし、これらが長期(10日から2週間以上)続くようなら注意が必要です。

食欲・体重の変化:食欲がなさそう。食事をとっていない、体重が減った・増えた。
態度の変化:遅刻・欠勤が増えた。口数が減っている。イライラしている。落ち込み・気力がないように見える。表情が暗い。顔色が悪い。
意欲の低下:以前より物事を悲観的に受け止める。積極性がなくなった。
仕事の能率:判断力の低下。仕事の能率の低下。

このほかにも、「寝つきが悪い」「早朝に目覚める」「頭が重い、首・肩が重い・痛い」などの症状があります。これらは普段の何気ない会話のなかで知ることがあるかもしれません。

 

うつ病(鬱病)かな? 周囲がサインに気づいたら

 

うつ病のサインは、自分で感じていてもなかなか言い出しにくいものです。上司・同僚がサインに気づいたら、まず声をかけ、心配な気持ちを伝え、話を聞いてあげてください。

その際にむやみな励まし(誰にでもある、がんばれ)や、非難(みんな辛い、それではダメだ、気合が足りない)などは禁物です。大切なのは話を“聞く”ことと心得ておきましょう。

そのうえで気になる点・心配な点があった場合は、産業医や産業保健スタッフ、人事担当者などに相談することを促す、もしくは相談してみるとよいでしょう。

社内の人間に相談することを敬遠される方には、専門相談機関を紹介するのもよいアイデアです。厚生労働省の運営する「こころの耳」では、労務相談をはじめ、臨床心理士や産業カウンセラーによる電話相談窓口を紹介しています。本人のプライバシーに十分配慮をしながら、対応を進めていきましょう。

 

うつ病(鬱病)の原因はひとつではなく「要因」の積み重ね

うつ病(鬱病)になる原因は、ひとつではないということが分かっています。大きな出来事がきっかけとなることは多いのですが、いくつかのことが積み重なっていることも少なくありません。

したがって、うつ病(鬱病)は精神的・身体的ストレスが重なることなど、さまざまな理由から引き起こされる病気といえます。「○○が原因」というよりは、生活のなかで起こるさまざまな「要因」が引き起こすといったほうが適切です。

きっかけとなりやすい出来事(環境要因)は、大切な人との死別・離別、財産や健康など重要なものを失う、人間関係・家庭内のトラブルなど。また、昇格・結婚・妊娠など一見おめでたい出来事も大きな環境の変化であり、きっかけとなりえます。

また、性格の傾向も要因のひとつです。義務感が強く、仕事熱心、完璧主義、几帳面、他人への配慮を重視するなど、心身のエネルギーを多く使いがちな人は発症のリスクが高いといえるでしょう。

そのほか、遺伝的要因や慢性的な身体疾患も、発症要因とされています。

 

うつ病(鬱病)の治療、職場での対応はプライバシーに配慮を

うつ病(鬱病)は本人の気力の問題ではなく、メンタルヘルス疾患です。したがって、他の病気やケガと同じく適切な治療を行えば、ある程度の期間は必要ですが、8割の患者が寛解状態まで回復するとされています。

うつ病(鬱病)の治療には「休養」「薬物療法」「精神療法・カウンセリング」の3つの大きな柱があります。「休めば治る」「薬で治る」という単純なものではなく、そのときの症状・環境や本人の性格などをかんがみて、ひとりひとりに合わせたアプローチで治療が進められます。休職についても、休養する方がよい場合と、むしろ仕事を続ける方がよい場合もあり、一概に判断できるものではありません。

職場でのフォローについては、本人のプライバシーに配慮しながら、主治医や専門機関との連携を行います。また、今後の支援やフォローについて、ある程度の見込みを本人に伝えておくようにすることも重要です。本人の心配ごと、気がかりなことについてもヒアリングして対応を進めていくとよいでしょう。

 

<監修医師>

菊池祐二郎 医師
山王メディカルセンター 血管病センターにて診療に従事。
東京医科大学病院在籍中は主に心臓手術・血管外科を担当し、さらにその関連施設では人工透析管理に従事。心臓や血管に疾患のある患者様に元気な日常生活を送っていただけるよう、患者様お一人おひとりにもっとも適した治療法を考え、行っている。

専門:血管外科
経歴:東京医科大学卒、医学博士/前東京医科大学心臓外科医長
学会活動:日本外科学会認定外科専門医・認定医/日本循環器学会認定循環器専門医/日本脈管学会認定脈管専門医/日本抗加齢医学会認定抗加齢医学専門医

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